『正直者』であること 技術も大切だけど、人間的な部分がもっと大切 東京都品川区北品川で、デザイン・インターネット・ネットワークのトータルプロデュースを行う株式会社ディーインクリエイティブ  代表取締役  山城 健の生き方・働き方

株式会社ディーインクリエイティブ 代表取締役 山城 健の生き方・働き方

『好き』こそ物の上手なれ おおいに活躍の場はある まず自分のモチベーションが一番大事

ディーインクリエイティブは、基本的にはWEB制作会社です。WEB制作会社はデザイン系と開発系、両極端の分野があるんですけれど、弊社はその二つを合わせもってやっています。また、さらに、それを支えているサーバー周りのインフラなど、そういう機械的な部分も含めてやっています。

インターネットのWEBサイト等を作るときは、大体、制作側とデザイン側が別々の会社さんで進めています。従がって、お客さんからのニーズを実現していく際にその両方がうまくかみ合わないときが結構あったりするんです。そのため、納期が遅延してしまったりもするんですけれど、それが弊社のように一社で全部、いわゆるワンストップでやる形だとどこにも切れ目なくやれるわけです。特に、そういった流れで仕事ができるというのが一番の強みですね。

弊社は基本的には裏方の仕事なので、あまり表だって「どこどこでこんな仕事をしました」と、お客様の社名を出せるケースは少ないのですが、某ネットスーパーさんの一番ベースになるパッケージというかシステムを弊社でやらせていただきました。そのときのデザインは別の会社さんがやられたんですが、システムとサーバー、いわゆるインフラですね、その両方を弊社が全部引き受けて運用してきた実績があります。当然システムのバージョンアップもありますから、バージョンアップに対応する仕事もさせていただいています。これが、創業してすぐのときぐらいで、大きな仕事をさせていただいたという意味で、一番印象に残っています。また、これがなぜことのほか印象に残っているかというと、サービス開始当初は順調にいかなかったからでもあるんです。弊社がスタートを切った間際の仕事だったわけですが、それがすごく大変だったという点、また、それをなんとか運用することができたという点、その両方で、僕の中では忘れられない仕事です。

まず、「365日24時間止められない」ということが未知の経験でした。そういった状況下で、メンテナンスをしていかなくてはいけないというのが一つ。

また、そのネットスーパーを起業したベンチャー経営者さんがテレビの報道番組で紹介されたことがきっかけで、そのサイトへのアクセスが一気にドンと伸びてしまって、もう、そのときはどうすればよいのかという状況になったんです。それらに対して、どう解決・解消していくのかを手さぐりしながら、いろいろ調査、研究しながらやってきた実体験が、今になっては非常に貴重な財産です。

データセンターでお客さんのサーバーをお預かりするということがあります。そのいくつかは、1日数百万ページビュー、しかもそのほとんどが、ある決まった時間内に集中する、と言った特殊なサイトのサーバーをお預かり・運用管理しています。そういう状況のサーバーを我々が管理していかなくてはいけない。これなども創業当初のネットスーパーさんでのノウハウがかなり生きているのかなって思っています。

弊社が携わる職種の1つで、ネットワークエンジニアの仕事は、基本的にはネットワークの基礎的な部分と、サーバーでは弊社が主に用いているLinuxの知識、そのあたりが重要といえます。

知識の蓄積やスキルの向上は、会社として育てていくことは可能です。ただ、“パソコンおたく”とまでは言わないですけれど、こればっかりはやっぱり好きな人じゃないと、身についていかないんじゃないかなっていう思いはちょっとありますね。好きこそ物の上手なれじゃないですけれど、まず自分のモチベーションが一番大事ではないでしょうか。

特に弊社は少数でいろんなシステム等の面倒をみており、何か起きたとき自らがすぐ対応しなければいけない局面があります。それを「仕事」としか捉えていなくて、例えば「8時間労働している中でしか、こなしません」という話になってしまうと、我が社で働くのはなかなか難しい。緊急時は「待った無」の対応が求められるですよ。だから仕事って割り切るんじゃなくて、自分の作った物・携わっている物への愛っていうか、そういう気持ちを持っていることでモチベーションが保てる…この部分ですかね。

でもね、この業界は、ものづくりをする人が確かに必要なんですけれど、意外と意識されていないのですが、コミュニケーション能力も非常に重要なんですよ。

例えば、お客さんがなにかWEBサイトを持ちたいという場合、どういう意向なのか、それをうまく引き出していく、そのコミュニケーション能力って、すごく大事。
だから、文系の方でもこの業界の独特な型を会得し、ばりばり仕事をこなしてほしい。いや、逆に、文系の方の方が会話が上手で、お客さんに対していろんなアプローチができ、いろんな情報を引き出すことがうまい方が多い。そういう意味でおおいにに活躍の場があります。だから、専門知識が深い人ばかりがいるのが良いわけじゃないと思っています。

僕自身はシステム開発会社の出身です。ですけれども、自分がいろんなことをやりたい人間なものですから、専門分野だけにとどまりたくなかった。それが会社創業の大きなきっかけで、WEB関係の会社をつくりましょうとなったとき、システム開発がベースではあるけれど、ワンストップで、1から10まで全部やる、それを目指しました。
当時同じ会社にいたネットワークエンジニア(サーバーエンジニア)の方、システム開発ができる方、デザインができる方、エンジニアで管理も任せられる方、そして僕、この5人でスタートしています。

結局、やはりデザインが大事だということで、社名の頭にDは入れましたけれど、デザインと言ってもパソコン上で絵がかけるだけではないと思っているんです。例えば、お客さんが困っている点に対してシステマチックな話ばかりしてもなかなかピンとこないと思うんですね。そんな場合に、白板に絵をかいて「こんな風ですよ」と示すとすごく説得力がある。こうしたこともデザインの一つのノウハウだと思うし、能力だと思う。

デザイナーとはいえ、例えばホームページつくりましょうっていったら、HTMLとスタイルシートとJavascriptくらいは知ってないと今はやれません。我が社のようにシステムもやっていれば、プラスαで、もうちょっとパソコン言語を勉強しようとか、開発言語を勉強しようとかいうことが、デザイナーさんでもできる環境にあります。 逆に、システム屋さんからすると、デザイナーがいることで何ができるかっていうと、提案書や設計書をつくるときに、これまでは定規で引いたような仕様書しかつくっていなかったけど、それに対してデザイナーが「ホームページのデザインをこうつくりましたよ」というものを入れてくると、もう全然見栄えが違うんですよね。その効果を実感すると、そういう提案書を自分でもつくれるようにちょっとやってみようかなっていう風になってくる。

システムとデザインができる会社にしたのは、そのへんの相乗効果を狙っているということでもあります。

『正直者』であること 技術も大切だけど、人間的な部分がもっと大切

僕がこれまでの人生で学んだことの一番は、会社を起業した直後、結構な大トラブルを起こし、それをなんとか乗り越えたという経験にあります。

具体的に言うと、そのトラブルの発端はサイトが立ち上がらない、ということでした。朝からスタンバっていろいろやってましたけど、10時にはオープンしてないといけないと言われたものが、9時半になっても立ち上がらない。どうしよう…と焦りまくりましたが、結局、10時にはギリギリ立ち上がりました。

ですが、やはりそれは「機会損失」ということで、発注元企業の代表の方に謝罪しに行ったんですが、そこで「トラブった理由を説明してくれ」と言われました。「サーバーのトラブルで、これこれこういう風にトラブってなかなか立ち上がらなかったのです。その原因自体をメーカーさんに問い合わせています…」とか、「現在はいったん立ち上がっていますけれど、根本原因が解決できてない状況なので、今後の体制をまだお話しできません…」とか、「我々が行った設定内容自体もまずいところがあったかもしれません」ということも含めて、ありのまま、細かい部分に至るまで説明しました。

そうしたら、「山城君、君は正直者だね」って、おっしゃるのです。
「え? なんですか、その正直者っていうのは」とオウム返しにお訊ねすると、
「そうあまりに正直に答えてくれても、そのままうちのクライアントには話せないよ。だからこの報告、加工させてもらうよ。ビジネスとしてやるんだったら、オブラートに包むところはちゃんと包んでもってきなさいよ、なんでも正直にいう必要はないんだよ」と言われたんですね。

ハッと思いましたね。でも、反発も感じたんです「それって、嘘ついて報告すればよかったってことですか?」という…ね。そのとき僕はそこでは反論はしなかったんですけれど、一言だけは言いました、「いや、正直者であることが悪いことではないと思います」と。
これは僕が一番に思っている部分で、お互い信頼関係を築くには、やっぱり僕がお客さんを信じなきゃいけないし、お客さんからも信じてもらえるような仕事をしていかないといけないと思う。

「正直すぎるよね」と言われたときに、「それの何が悪いんだ?」と思う自分、これが会社を立ち上げてがむしゃらにやってトラブった中で、一番僕の芯になる部分として形成されました。で、今は、それがもう僕自身の本当の中心になっています。

正直者であるということへの価値観…例えば、これは学生時代の部活(バレーボール)の経験ですが、現在はスポーツやっている最中に、途中途中で水分補給するというのが常識になっていますよね。でも、僕らの時代は「水飲むなー」っていうのが常識だったんですね。水飲むな、ジュースなどの炭酸飲料は飲むな、でした。で、まあ、練習しているとたまらなく喉が渇くから、練習の終わり頃、ちょっとしたお店に寄って飲み物を買ったりします。通常は指導通りに牛乳を飲むんですが、たまには「今日はジュースでも飲もう!」ということもあるんです。それが見つかっちゃったことがありまして、先輩がみんなを集めて輪にさせて反省会をしました。そのときの先輩からの一言は「今日たまたまこうやって見つかった人がいるといっても、そいつらをつるし上げるつもりはない。けれど、基本的にはな、嘘をつくなら絶対ばれないように嘘をつき通すか、嘘をつかないことを大事するか、このどっちかしかないだろう。だが、嘘をつくっていうことは、事実をねじまげているのだから絶対にどこかでバレる。それを肝に銘じとけよ」。これが、確かに、今でも心に残っているのかもしれません。

あの時はきついこと言うな~と正直思ったんですけど、でも、なんでしょうね、うそつきって言い方も微妙なところはありますよね。世の中にはついてもいい嘘もあるじゃないですか。ついてもしょうがない場合もありますよね。ただ僕は、バレたとき信頼関係が崩れるような嘘はつかない方がいいと思いますね。

さっき話した、「君は正直者だな」と言った代表の方がいらっしゃる企業の、そこの社員の方々からはある程度信頼を勝ち取ったかなと自分の中では思っています、仕事自体はその後も続きましたから。そこにいた社員さんたちからは「そちらに任せていた方がよかったよ」って、今でも言ってくれていますよ。そこがやっぱり嬉しいところだと思いますし、そういう仕事をやっていくことが、すごく大事なことなんじゃないかなと思っています。「任せてよかったな」と言ってくださるお客さんが多いと、自分では自負を持っていますよ。

まぁ、正直者であることを貫いてきた結果として、解消するのがうまいからなのかもしれないですけれど、ストレスはあまり溜まらないですね。時にはバーンっと、心理的負担が上がってしまうこともありますが、最終的にはすっきりし、なんか、心残りなくっていう感じかな。

体育会系ですからね、結構やんちゃもしましたけれども、でも、多分あのバレーボールチームにいたからこそ、やっぱり得られたものって非常にあると思いますね。

僕はそんなに身長が高い方ではないし、ジャンプ力もすごくはなかったので、高校の3年間はセッターの万年補欠でした。中学の3年間はレギュラーでずっとやっていましたから、高校ではなかなか試合に出られない万年補欠の苦しみをたっぷり味わいましたが、沖縄県の大会でベスト4に進むチームつくりができたので、部活はすごい勉強になりました。レギュラーだけが試合をやっているんじゃなくて、ベンチがいろんな指示を出すこと、応援も大きな部分を占めることなど、チームを支えているベースになっているという実感といいますか、この体験は貴重なことだったと思います。ある意味、それが今の仕事にも繋がっていいます。

つまり、僕はこの会社を特別有名な会社にしたいとは思っていなくて、どこかの会社のベースの部分、黒子の役割というかね、目立てなくてもいいんです、我々が支えている部分が確実にある、そういうことを社員それぞれが認識して理解して、喜びとして感じてくれるんであれば、それに越したことはないんじゃないかと思っています。

私たちが『貢献』する多様なお客様公営事業、法人、そして一般のお客様

基本的にシステムの仕事というのは、お客様の現場に赴いて仕事をするケースと、社内に居ながら仕事をしていくケースと2種類の形にわかれています。我が社は後者の方です。

現状では、大きな部分を占めているのは公営事業関係のお客様と、インターネットビジネスの面では法人のお客様のホームページやECサイトなどをお預かりしてベースをつくったりする、そういうことがメインです。

あとは、「サンタからの手紙」という、スウェーデンからクリスマスに届く手紙をECサイトで販売するサンタワールド日本事務局を運営しています。それはいわゆるインターネット上のBtoCの世界であり、一般消費者向けに販売しているんですが、それのデザインからシステム構築、サーバー運用まで、すべて弊社の方でやり、当初は予定していなかったんですけれど、お客様センター的な、そういうところまですべて請け負ってやっている事業です。この会社を立ち上げた当初手掛けたネットスーパーの事業のバックヤード、バックオフィスといいますか、その大変さの経験から学んだノウハウがここに生かされています。

大変さといえば、お問合せのお客様には、いろんな方がいらっしゃるっていうのが一番大きいですかね。頼んだ物が「なんで届かないの!」と問い合わせてくる中には、お客様が住所を間違えておっしゃっていたりとか、郵便事情でどこかでぐるぐるまわっちゃって遅延配達されたりとか、そういう直接的には我々はどうしようもない場合もあります。それに対してどうしてもお怒りの気持ちを露わにされるお客様への対応っていうのは、大変ですよね。

逆にうれしいこともあるんですよ。例えば、東日本大震災のあった年から、「サンタからの手紙」の事業を始めましたけれど、その当時、岩手のおじいちゃんから電話がかかってきて「知り合いからチラシをもらったんだが、頼みたい」と言うので、「これはECサイトでしか販売していないんです」と懇切に説明するのですが「パソコンは使えないし、でもどうしても頼みたいんだよ」とおっしゃる。よくよく事情をお聞きしたら、どうも東京にいる孫になかなか連絡がつかんと…だから「おじいちゃんは元気だよ」というメッセージを付けて「サンタからの手紙」を出したいのだ、と言うのです。それで、これはなんとか届けてあげたいなってことで、例外的に電話での注文を受けることにしました。そのおじいちゃんからは、その後、「無事届いたと、喜んでいたよ」と電話がありました。こういう嬉しいお話があったり、まあ、やっているといろんなことがあります。

今はスマホが非常に普及してきましたが、パソコンを使えない方々がそれでもなんとか頼みたいだとか、こういう注文の仕方ができないですかね?とか、こちらももっと日々勉強して、そういういろんなご意見に対応しなくてはいけないですよね。こちらが想定したところを超えた意見も中にはあったりすることに気付かされたりしますしね。

取捨選択する場合は困難な方を『選ぶ』自分に負荷をかけることが自分を伸ばしていける道

大切にしている価値観の一番は『正直者であること』ですが、そのほかで起業するときの後押しになった言葉として「取捨選択する場合は困難な方を選ぶ」ということがあります。

どちらかを選ばなければならない、人生ってそういう場面にいつもさらされていると思うんです。会社経営する上でもそうだし、個人個人が仕事する上でもそうですが、これは簡単にできそうだと思えるものと、これは難しいだろうなというもの、たいがいこの二通りです。で、難しいと思うようなことこそ、やったら、利益に繋がる。簡単そうなものは、楽ができるかもしれないけど、あんまり利益にはならなかったりする。

たまたまラジオである経営者さんが「二者択一が絶対だったら、僕は難しい方を選ぶ」と言うのを聞いたのですが、なるほど、と思いました。簡単な方を選ぶとやっぱり自分を甘やかしてしまい、100%の力を出さない。難しい方は逆に100%出しても達成できないようなら120%の力を出していく、あるいは200%くらいまで自分の能力の限界にまで挑戦していく、そうしないと乗り切れないかもしれない。しかし、そういう、自分に負荷をかけることが自分を伸ばしていける道だと言っていました。これが僕の記憶の中に非常に印象深く残り、それが今でも選択の仕方の基準に繋がっています。

また、僕はいわゆる不可能というのはないと思っているんです。これは仕事上でも、人生の教訓としてでも言えることですが、なにかをはじめる際にやっていない段階で「無理です」という発言はないと思っています。「それは難しいですよ」と言う方がまだずっとましで、はなっから「無理」と言うべきではない。

やればできるかもしれないのに今の自分の目線だけしか頭になくて、「無理です」と、いとも気易く言ってしまうのはどうかと思います。例えば「費用をかければやれるかも」と思うのであれば「これこれこうだから、今の費用ではできません」と主張すべきであって、それは「無理」と断ずることではない。

費用をかければ…、時間をかければ…、労力をかければ…そう思うなら、じゃぁ、そのためには何をすればいいか、一歩一歩、少しずつ困難を解消していけばいい。

それが難しい道を選択せよという、もう一つの理由です。

実際、僕はシステムつくりでそうした経験を積み上げてきました。「こういう仕組みなんて、多分できないよね」と言われたものをいくつか実現してきました。

時間をかけないと無理かなという場合は、時間をかけたら確かにできましたよ。それがお客様の方にちゃんと納得していただけて、正当な対価として評価されるかどうかという問題はあるのですが、絶対できないっていうことはない、ということの証明にはなっていくと思います。

社名に込めた『想い』社名そのものが僕たちの理念です

ディーインはDINでして、DはデザインのD、IはインターネットのI、NはネットワークのNです。

その並びをどうしようかなと最初はいろいろ考えたんですが、結論として「まずはデザインありきだよね」というところから、Dを冒頭に置くに至りました。システム会社の中でも、WEB関係に特化した会社づくりをしたかったので、デザインとインターネット、ネットワークを表現しました。また「ネットワーク」には二つの意味を含んでいます。インターネットのネットワークという意味と、人との繋がりのネットワークの意味ですね。

これらを基本として、創業メンバー5人で、それにいろいろ意味づけをしていきまして、Dは「ダイナミックな仕事ができるよ」とか、Iは「インタラクティブな仕事ができるよ」とか、Nでいうと「ナチュラルでありつづけていくよ、自然体でいくよ」とかですね。

ですから、この会社名にしていったプロセスがそのまま会社の理念としても今も掲載している内容になります。

最初はこのロゴではなく右肩上がりの線を引いた上にDINと入ったものを作ったんですけれど、ちょっとコーポレートイメージを変えたくて、DINの次のクリエイティブのCを緑にして、DINが飛び出すイメージにつくり直しました。ビックリ箱から飛び出すイメージ、いろんなことができるんだよっていうアピール、そんなことを訴求したくて、つくりました。

いろいろあとから加えた部分もあることはあるんですけれど、本当にこの名前の由来がまさに基本精神ですね。お客様にこの会社に頼んで良かったと言っていただけるような会社づくりをするためには「こういう企業理念を持っていこうよ」という、凝縮した思いを会社名にこめています。

さまざまに融合した、『いろいろことができる人材づくり』を目指すよりよくなるための自分磨き、その努力は、自分自身がやらなくちゃいけない

僕は社員の専業化はあまりしたくないのです。つまり、プログラムをつくる人は「プログラム専門にしか動きません」という形ではなくて、プログラムをつくりながらほかの勉強もしてもらいたい。デザインをやる人には「プログラムもやりませんか」と言いたい。さまざまに融合した、いろいろことができる人材づくりを目指していますから、相互作用的に、あるいは自然体に、何事にも向かって欲しいわけですが、自由に、自分が興味を持つ方向を伸ばすということ、これは結構難しいことでもあるわけで、多分、これが第一関門突破かもしれません。

入社当初は先輩たちがいろいろと導きますから、当然それに従がっていきますけれど、自分はどこに一番興味を持っているのか、その追及や見極めは自分の中で判断するしかありません。それを軸に広い知識を身につけてほしいというのが、こちらの一つの思いとしてありますが、では、それをどうやって身につけていくのか…それは自分自身が勉強していこうという気持ちをもっていないとダメ。

日々の仕事=勉強…これが社会生活の中で僕が得た大きな経験ですが、よりよくなるための自分磨き、この会社を使って、それはできると思いますけれど、その努力っていうのは、自分自身がやらなくちゃいけない。これが一番厳しいところかもしれない。

例えば、指示書通りに動いて日々過ごしてくれればいいですよという仕事も当然ありますよね、マニュアル通りのやり方でいいと。でも人生っていうのは自分で選択していくものだと僕は思います。ということは、与えられた仕事の中で、最初は先輩たちを見て、学んでやり始めますが、やがて自分自身でやり方を試行錯誤し、考えていかないといけない、勉強していかないといけない。そうやって、自分自身のノウハウを高めて欲しい。我が社はそれができる環境を提供していきますが、会社に対して頑張るのではなく、自分自身のために頑張る、頑張っていけるところまでいく…そういうスタンスでやってほしいなって思いますね。

今、毎朝、朝礼の形で「今日、僕は何々をやります」と、お互い自分のやることをみんなに話をしています。そういったことを少しずつ続けていくことが大切だと思っています。

会社の雰囲気ということも一つあるのかもしれないですね。

例えば、気軽に教えてくれる先輩たちもいるし、聞けば教えてくれるが聞かなきゃ何も言わない先輩たちもおり、いろいろ個性もありつつ、いろんな形での接し方があるわけですが、これは誰に聞けばいいのかとかいうものを少しずつ学んでいける職場なんじゃないかなと思います。、社内でいろんな人とのコミュニケーションを取り、かつ、お客さん先にも平気で僕は社員を連れて行っちゃうので、客先でもいろんな経験を積むことができています。僕は彼らの言う、そういう“無茶ゃぶり”も結構するかもしれないですけれど、それによく応えてくれて、ちゃんとこなしてくれています。それは本当に、彼ら彼女らの良いところですね。

根が素直な人が多いのだと思います。

もちろん、「これはやりたくありません」などと反発するときもありますが、でもそう言いがちな者でもみんなが納得していることには、ちゃんと妥協するところは妥協してやっていますね。「こうしたい」という主張があればちゃんとしてほしいと言ってもあるから、こちらも聴く耳はいつも持っています。

僕は頭ごなしには言わないようにしています。
「費用がかかるけど、これを入れてほしい」とかっていうのは、いろんなアイデア出しの中で費用を投資してでも「やったほうがよい」と皆のコンセンサスが固まれば、「いいんじゃない、やろうよ」と積極的に進めています。逆に、「安いから…」とか、「お金かからないからやろう」と提案されても、「その方向性で本当にいいのか、どうなの?」と、疑問が残る場合は、止めます。

基本的に、社員の意見を尊重し、みんなで「いい会社にしようよ」という方向性で進んできているんじゃないかなって、思っています。

大きな『目標』としてあること長期的には、地方が幸せになることに貢献・協力できる事業を構築していきたい

僕には目標があります。故郷の沖縄から上京してきて東京でこうして仕事を進めていますが、関東で会社を経営する沖縄の社長たちが集まる会などに出ていると、僕、やっぱりいつかは故郷沖縄で事業展開をしたいなと切実に感じます、もしくは地方で、ね。

これが、目下、大きな目標としてあることですね。

この業界の仕事、特にシステム開発の際にはお客さん先に絶対行かなければなりません。でも、WEBサイト開発になると、正直、日本全国どこのお客さんでも東京で受けられるし、逆に、東京で受けた仕事を絶対東京でやらないといけないかというと、そんなわけではないですよね。

また、東京だけが情報発信源ではないので、当然、地方にもECサイト持ちたい、ホームページ立ち上げたいと、いろいろなことを考えてらっしゃる方は多い。各地にIT事業者さんはいらっしゃるので、それらの会社さんが受注していますが、でも、うちのように1から10まで出来る会社って、この業界では少ないと思うんですよ。そういう我が社の特長を生かして、オールラウンドな見地からアドバイスできるような人材を育て、地方地方に展開できるといいなと思っています。

現在模索中なんですが、沖縄のトップに働きかけて人材育成をしていこうという動きがあります。僕は、できればその強化人材を育成する組織をつくれればと最近思っています。

さまざまな流れもあるので、なかなか難しいところもあり、まだ実現できるところまではいっていませんし、需要の掘り起こしも必要な段階ですけれど、ね。でも、こういったことで、地方が幸せになることに貢献・協力できる事業を構築していきたい。これが、長期的な目標です。

最終的な理想は、これは短期間に達成できるかどうかは別として、ディーインクリエイティブが本社となって、本社同等のレベルのスタッフチームを全国展開していく、ということです。本社自体が巨大化するのではなく、アメーバ式に発展して結びついて、ある場合には仕事を融合しあう。この方式だと、会社の場所は別にどこでもよくなります。こういう考え方がこの業界だったら通用するし、仕事としても成立できると思うんですよね。

そこに一つ、どうしても必要なことは、信頼関係。

例えば、A・B・Cのチームが各地にあったとして、「Cチームはだめだね…」という評価が広まっちゃうと、もうA・Bのチームにも仕事は回ってこなくなりますよね。組織がお互い全部信頼しあってこそはじめて成り立つシステムです。人と人の関係性があるので、ここがなかなか難しい点かもしれませんね。が、とにかく、僕の理想は、一つのコアがいろいろに分散しながら、適宜、結びついていくような形をつくること、です。

『3つの柱』を分かち合う僕が社員の人生に貢献できること

教育という意味では、先程も言いましたが「いろんなことを自由にやってほしい」という中で、それぞれに成長してもらいたい。

できるだけみんなには売り上げを還元していきたい。そういう方向に今動いていて、例えば、持株会的なことをやっています。

また、就業時間の部分では、他のIT業界からすると、うちはちゃんと定時に帰ってもらっていると思います。当然ですけれど、システムリリースなどのときにはお客さんの都合に合わせて休日出勤や深夜業務になる部分もあるし、トラブルが起きたときは時間帯に関わりなく対応を迫られることもありますけれど、基本的には定時内でみっちり仕事をして、しっかりちゃんとしたものとつくって、お客さんに納めましょうよということをずっと続けています。

正直なところ、現状はその分僕に負荷が掛かってはいるのですが…(笑)これはよくない状態だとは重々分かっていますし、出来るだけ今後はなくしていきつつ、それで、社員の皆さんが定時で帰れる、あるいはあまり残業がないIT企業にしていきたい。その上で、仕事の対価として「正当な給料がちゃんともらえますよ」と自慢できる会社にしていきたいなって思います。

だから、

・『正直者』であること。
・取捨選択する場合は困難な方を『選ぶ』
・『自分磨き』 興味を持って何事にも向かう

この3つの柱をこれからも分かち合っていきたいです。

「なんでわざわざ苦労する道を選ぶんだよ」と思う人もいるでしょう。僕の言っていることは「社長はそういう実体験があったからでしょう」と言う人もいるでしょう。でも、3つの柱、これを少しずつでも分かってもらうようにすること、それは僕がずっとしていかなくちゃいけないこと。

この3つの柱自体は、みんながみんなその通りに動いてほしいという意味で言ってるわけではなくて、その中の一つでも「ああ、なるほどね」と分かることが大事だと思っていて、みなさんそれぞれ個性があります、異なる考えは当然あると思います。でも、「社長の言ったとおりだった」とか「社長の言っていたことはこういうことだったのか」…などという感じで、自分が体験を積んでいく中で、一つずつ理解していただければいいと思っています。